Chill MUSICA

Chill MUSICA / うた / サヨナラは、まだ言わないで

サヨナラは、まだ言わないで

淡く甘く、暑く短く、始まった合図は波の匂い 渚で笑う君、ラムネの泡、髪に光が差し込み 季節の魔法だね、って肩をすくめた八月の昼 「また会おう」だけで十分だった、あの頃はすぐ 線香花火、しゅるっと火花、胸に灯った小さなともしび 好きは日毎にぞうし、みゃくはく上昇、言葉は少し クリスマスのがいろじゅ、ペアのニット、手袋の色まで想像図 “これから”だったのに、カレンダーだけが進行中
さよならは まだ言わないで まだ夏の匂いのままで 消えないで 消えないで 君よ どこへも 行かないで
既読の青が薄い、返事はスタンプ一個の合図 会える日減り、会話は霧、君の気配がフェードし続く 「忙しいだけ」って風のせいにして、扇風機まわす夜 窓のカーテン、群青に揺れ、心だけ取り残される お揃いコーデのタブ、通販かごのまま停止 イルミに重ねた夢、手のひらで冷えていく精神 突然じゃない別れほど、静かに深く痛むこと知る スローモーションでズームアウト、二人の輪郭が滲む
さよならは まだ言わないで まだ夏の匂いのままで 消えないで 消えないで 君よ どこへも 行かないで
せんこうはなび、最後の雫、ぽとり落ちた後のやみ 気がついたら君の気持ちは、夜風みたいに消えていた 「どこへ向ければいい?」この熱は路面の蜃気楼 浜辺に置き去りの影、波がさらってきえ 喪失感、スタンプじゃ測れない温度と色 言葉のないサヨナラは、胸の奥でこだまし続ける それでも夏の残像が、まぶたの裏で瞬く 来年の空に預ける…と小さく呟く
さよならは まだ言わないで まだ夏の匂いのままで 消えないで 消えないで 君よ どこへも 行かないで
さよならは まだ言わないで まだ夏の匂いのままで 消えないで 消えないで 君よ どこへも 行かないで