Chill MUSICA

Chill MUSICA / うた / 月の裏のドレスコード

月の裏のドレスコード

信号が跳ねる夜 誰かのテンポで息をする街 僕は 塗り残しのまま 歩道の端に滞在中 ヘッドラインみたいな笑い声が 空中で跳ねて 触れたら崩れそうな 泡みたいな興奮に 手を出せずにいる
「いいね」で選ばれた仮の光景 それを斜めに覗く自分を 置き去りにできずに 靴の紐を締めなおす ねえ、誰が決めたの? 今日のルールと色合い
まだ、名前のない感情が 僕の中でかすれている 背中を押す手はないけど たぶん、それでちょうどいい 誰かの期待をすり抜けて 僕は僕の地図を折る 地味な色を選ぶたび なぜか心が軽くなる
街はビートで統率中 でもこの心は指揮者なし 白と黒の間に挟まれた “灰色”が今日のリアル 耳に飾る派手な言葉よりも 自販機の横で聴いた「……わかる」の方が ずっと沁みた 「似合うね」が怖い 「似合うね」が怖い 「似合うね」が怖い ——それ、ほんとに“僕”なのか?って
クローゼットの奥にある 昔好きだった色のシャツ 流行じゃない、それがいい 時代を越えても残るのは “着てて安心するもの” スポットライトはまぶしいけど 僕は影で見ている月の満ち欠けに 心を預けてる
寄せては返す賑やかさ きらびやかな仮面の奥に 同じ迷いが見えたら たぶん もう怖くない 無言のままでも、分かり合える夜があるとしたら
まだ、言葉にならない声が 胸の奥であたたかい 誰かのルートからはみ出ても それは“間違い”じゃない 置いてきぼりにした自分を 迎えにいくように歩く 誰とも似ていないリズムで 今、息をしている
ねえ どうする? ねえ どうする? ねえ どうする? ねえ どうする? ひとりで踊る夜に 選べるのは Yes か No じゃなく 「まだわかんない」って言えること それって案外すごくない?
ショーウィンドウの中の世界に 写らないこの揺らぎ 選ばなかったその道のほうが たぶん、僕を知ってる 完璧な答えじゃなくていい ただ、嘘じゃない一歩が欲しい
まだ、誰の真似でもない想いが 靴音に混ざってる 次の角を曲がるとき もう少し好きになれそう この夜に合わせなくていい 僕の色は、僕だけが知ってる
まだわかんない まだわかんない でも、それが今の僕の答え まだわかんない まだわかんない でも、それでいい