だれも操作していない。餌もやらない。
藻が湧き、魚が食べ、サメが狩り、死骸が沈んで、また藻になる。
ひとりでに回り続ける、閉じた小さな海。
上の水槽は、いまも動いている。
植物プランクトン(藻)が水中に湧く。草食魚がそれを食べて生き、群れをつくる。サメがときどき現れ、弱った魚を狩る。死んだ体は砂へ沈み、分解されて栄養に変わる。その栄養が、次の藻を育てる。
輪のどこかが増えれば、どこかが減る。誰も手を加えなくても、水槽は勝手に釣り合いを探し続ける。
魚は種ごとに、違う速さの時間を生きている。小さく活発な魚は代謝が速く、頻繁に食べないとすぐ死ぬ。大きく穏やかな魚はゆっくり食べて、長く生きる。
エネルギーが尽きるか、寿命が来ると、体は横たわって沈む。そして——プランクトンに還る。輪の最初へ、戻る。
右上のスイッチを OKINAWA に切り替えると、那覇の“いまの海”が水槽に流れ込む。実際の時刻・潮位・水温・天気。
昼は光でプランクトンが湧き、夜は減る。暖かい海ほど、いのちは活発になる。水面は、ほんとうの潮に合わせて満ち引きする。
ウミガメ、マンタ、クジラ。狙って呼ぶことはできない。ただ、待っていると、ふいに横切っていく。
「クマノミになる」を押すと、あなたも群れの一匹になって、水槽の中を泳げる。岩を避け、魚とすれ違い、見上げれば水面が揺れている。
(PCのみ。スマホでは、外から眺めるだけ。)